Tuesday Wonderlandについて語らせてくれ

Tuesday Wonderlandについて語らせてほしい

 

Tuesday wonderlandといえば、e.s.t.の名盤中の名盤とも言われる、と勝手に思っている。

もちろんSeven days of fallingとかが有名なんだろうなということは、各ライブの選曲頻度などからわかるのだが、

私は本当に、Tuesday Wonderlandが好きで好きでたまらない。。。

 

あれはまだ私が大学一年の夏、初めての軽音楽部夏合宿の帰り道のこと。

 

m2の先輩が運転する車の中で流れていたのはno.9のshiftだった。電子音が心地よい、サイン波にわずかにノイズがのったあの有名なサウンドが気持ちのよい車内だった。

 

後日、その先輩にあの車でなってたみたいな音楽好きですというと、おすすめのUSBを貸してくれた。

のちに聞くとそのUSBは伝説のUSBであり、ポストロック・エレクトロニカをこよなく愛する部員の中でかなり評価の高い、素晴らしい名盤揃いの代物だったらしい。

 

偶然にも1年生でそんな宝物を手に入れた私の音楽人生が、50000%いい意味でこのUSBに狂わされたのは言うまでもないだろう。

 

その中の1枚がTuesday Wonderlandだった。アルバムの表紙に惹かれ、1曲目を聞いた瞬間、脳に、全身に電撃が走った。

 

物悲しいリフ、しかしなぜか心惹かれる穏やかであり、そこには明らかな侘しさが浮かぶ、そして唐突なロングトーン、、、、、これを衝撃と言わずして、なんと言ったらいいのか。この美しさ、これは、もちろん弦バスにディストーションをかけているとか、ジャズにボウイングが使われているとか、そういうことじゃないんだ!!!(最初はそこが並からはずれていてかっこいい!!と思ったが)

そうじゃなくて、この魂を掴まれてグワングワン揺らされる感じ!なぜだかわからない。バックでなるピアノ、ドラムはあまりにもシンプルで、なんならベースもシンプルなんですけど、この調和があまりにも美しくて、こんなに不穏なのにあまりにも美しくて、、、、、、

 

この感覚は今聴いても明らかな存在感を持って自分の中に湧き上がる。

 

次につぐアルバムタイトルの曲、Dolores in shorestand、さらにはGold wrap、については今は語るのをやめておこう。今日はTuesday Wonderlandというアルバム、そしてその1曲目を飾るFading maid preludiumについて語りにきたみたいなところがある。

 

こういった感動をひっさげ、e.s.t.と出会ってから7年がたった。

7年の間、ちょこちょこアルバムを買ったり、live映像を見たり、幾度となく、なぜ自分はもうこの人たちの演奏を見ることが叶わないのかという絶望を味わい、自分なりにe.s.t.との思い出を深めたつもりだった。

ストリーミングサービスが一般的になり、近年自分も手に入らなかったアルバムを聴くようになった。自分にとって新しいe.s.t.との出会いは楽しいものだったが、2020年になった今、衝撃の事件が起こる。

 

e.s.t. symphonyとの出会いである。

 

これは本当に偶然で、そして再び私の感性を完膚なきまでに粉々にし、三半規管の機能を奪った。

なぜ今まで気づかなかったのか、(アーティストが共同だから検索に引っかかりにくかった)

くしくもSpotifyのこれもおすすめみたいなやつで出てきたその存在で、初めて私はSpotifyにしてよかったと心から思った!

(それまでは私がSpotify登録してない時にいけすかない奴がSpotifyでおすすめの音楽のURLを送りつけてくることが度々あって、音楽に罪はないのだがいけすかねえなと思っていたので。偏見である。ちなみにそれでもサービス選ぶときにspotifyにしたのは普通に洋楽が多いと聞いていたから)

 

このアルバムもまた、1曲目にFading  maid  Preludiumが使われている。その美しさは、Tuesday Wonderlandではいきなりあのフレーズから始まるのに対し、十分なストリングスの間、そして沈黙ののちに満を辞して奏でられる美しく擦られる主題、、、、なんて、、、いやこの、、、ピアノだからこそ、と思っていた切なさ、寂しさが、ストリングスによってこんなに生きるとは!!完全に新しい表現のような、はたまた映画音楽のような耳なじんだような、この原曲を知っているからこその驚きと、根底にある原曲のフレーズの圧倒的存在感への気づき。

 

心が、全身が震える。

五感が奪われるような錯覚。

 

音楽は時として精神と肉体に大きく干渉する。

太古から人間と共にあったものとして、決して娯楽や贅沢品などという表現ではおさまらない、音楽自身の宗教性、祈り、そういったものに改めて気づく。

 

人間が食べ、寝て、生きるとき、音楽は同時に存在する。

 

そんな感動を覚えるくら驚きましたね〜このアルバムには本当に…

 

書き切れないですけど続く曲は、結構原曲の流れでもライブの流れでもなく、e.s.t.の曲のいろんな主題が現れては消え、いつの間にか戻る、まあある意味ライブっぽいんですけど、シンフォニーなので非常に落ち着いて聴ける作品となっています。本当に気持ちがいい。

 

でもやっぱり1曲目ですね。

e.s.t. Prelude

どこまで美しいんだっていう。

 

アルバムも買ったので、いよいよCDプレーヤー買おうかなと思います。